R3i出版物

このセクションのレビューはすべてR3iのメンバーが執筆している。この共同作業は、多様な専門知識と洞察力を結集するものであり、意義深いものである。R3iのメンバーが寄稿することで、出版物には、残存する心血管リスクに対処し、治療の進歩を促進し、患者ケアを向上させるという集団的コミットメントが反映されている。このことは、この分野の専門家間の共同体意識を育むだけでなく、残存リスクを効果的に低減するというイニシアチブの使命を推進することにもなる。

最新の出版物

プロミネントの教訓とパーマフィブラートの展望

ジャン=シャルル・フルシャール、ジャミラ・フルシャール=ナジブ、山下静也、ピーター・リビー、横手耕太郎、児玉龍彦、冨田洋平、ポール・M・リドカー、ミシェル・P・ヘルマンズ、アルベルト・ザンボン

PROMINENT試験の結果が中立であったことから、ペマフィブラートの将来について疑問が呈されている。本解説では、この試験で観察された有効性の欠如について、考えられる理由を考察する。しかし、末梢動脈疾患に伴う微小血管の虚血性合併症に対する治療の可能性を示唆する指標はあり、その後の解析で下肢虚血性潰瘍または壊疽の発生率の減少が示された。ペマフィブラートの安全性に関する安心感は、PROMINENT試験や実験的試験から得られた新たなデータとともに、非アルコール性脂肪性肝疾患(代謝機能障害に伴う脂肪性肝疾患とも呼ばれる)や糖尿病に伴う微小血管障害におけるペマフィブラートの有用性を示唆しており、さらなる研究が必要である。

他の出版物

2020

選択的ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体αモジュレーター(SPPARMα):慢性腎臓病における残存心血管リスクを低下させる新たな手段か?

Jean-Charles Fruchart, Michel P. Hermans, Jamila Fruchart-Najib

本レビューの目的
慢性腎臓病(CKD)は世界的に大きな課題であり、高齢化と2型糖尿病の拡大により悪化している。慢性腎臓病の負担増の多くは、心血管系合併症によりもたらされる。現在のCKDにおける脂質異常症の治療ガイドラインでは、低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-c)の管理を優先しているが、心血管疾患のリスクは高いままである。CKDの特徴であるトリグリセリドの上昇と血漿中の高比重リポ蛋白コレステロール(HDL-c)の低値を標的とすることで、有効性が高まる可能性がある。しかし、既存のフィブラート(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体α[PPARα]アゴニスト)には安全性の課題、特に血清クレアチニンの上昇傾向があるため、新たなアプローチが必要である。
 
最近の研究
リガンドとPPARα受容体の相互作用は、受容体結合の特異性や結合力、下流の遺伝子や生理作用に影響を及ぼす。ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体αモジュレーター(SPPARMα)のコンセプトは、リガンドの構造を変化させてPPARα受容体への結合を強化し、リガンドの選択性、結合力、安全性プロファイルを向上させることを目的としている。このコンセプトが新規SPPARMα薬であるペマフィブラートの開発をもたらした。本レビューでは、ペマフィブラートと既存のフィブラートとの違いに関するエビデンス、特にCKD患者を含むハイリスク患者における血清クレアチニン上昇や腎機能の悪化を示すエビデンスの違いについて論じる。
 
概要
ペマフィブラートはCKDにおけるアンメットメディカルニーズに応えるという点で、既存のフィブラートと異なっている。現在進行中のPROMINENT試験は、CKD合併患者を含む2型糖尿病患者を対象としたペマフィブラートの長期的な有効性と安全性に加え、良好な脂質改善プロファイルが、残存心血管リスクの低減につながるかどうかを示す決定的な情報をもたらすだろう。

2019

糖尿病における残存血管リスク:SPPARMαのコンセプトが鍵を握るか?

Jean-Charles Fruchart , Raul D. Santos, Shizuya Yamashita, 詳細…

臨床医は糖尿病において残存心血管リスクを低減する他のターゲットを考慮する必要があります。SPPARMαコンセプトは、血管リスクに関連する複数のターゲットにアプローチする有力な手段の一つです。
 
ガイドラインで推奨される最良の治療を行っても、糖尿病患者は心血管イベントが起こり続けます。この高い残存心血管リスクは、いまだに緊急性が高い臨床的アンメットニーズです。他のターゲット、特にこれらの患者で一般的な高トリグリセリドに介入する必要があります。
 
この謎を克服するための重要な解決法の一つは、主要な代謝および炎症経路を制御するPPARαです。しかし、従来のフィブラートはそれに応えられていません。その理由は、スタチン治療下での心血管イベントの確実な低下が示されていない、安全性に課題があるなどです。
 
糖尿病患者の高い残存心血管リスクに取り組むためのアプローチの一つがSPPARMαコンセプトです。このコンセプトは、血管リスクに関連する複数のターゲットに作用する新しいSPPARMα薬であるペマフィブラート開発のきっかけとなっています。ペマフィブラートは残存心血管リスクを低減するための鍵となるか?答えはPROMINENTにあります。

選択的ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体アルファモジュレーター(SPPARMα)のパラダイム:コンセプト・フレームワークと治療の可能性

Jean‐Charles Fruchart, Raul D. Santos, Carlos Aguilar‐Salinas, 詳細…

50名以上の国際的に有名な臨床および科学の専門家が集まり、SPPARMαコンセプトと残存血管リスクを標的とした治療の可能性について話し合いました。この画期的な論文は、臨床医にとって不可欠なものが記されています。
 
アテローム性脂質異常症は、プレシジョン・メディシンが発達した現在でも、臨床医にとって謎のままです。この脂質異常症は、特に2型糖尿病患者などのハイリスク患者で一般的にみられる 血清トリグリセリド高値で、かつ低値または正常値のHDLコレステロールを伴うという特徴を有していますが、この脂質異常症を対象とした新たな治療法が必要であることは明白です。選択的ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体αモジュレーター(SPPARMα)の開発は、この治療ギャップに対処するアプローチを与えます。
 
R3i と国際動脈硬化学会の共同コンセンサスは、世界をリードする 50 名以上の専門家で構成され、最初の SPPARMαアゴニストであるペマフィブラートのエビデンスをレビューしました。専門家の合意として、ペマフィブラートの薬理活性や、そして重要なことに、安全な肝臓と腎臓プロファイルに基づき、フィブラートとは異なる新しい治療クラスであると結論付けました。最終的な答えは、 2型糖尿病およびアテローム性脂質異常症を有する超高リスク患者1万例を対象としたペマフィブラートの心血管アウトカム試験、PROMINENTにあります。

SPPARMα:ラザロ効果

Jean-Charles Fruchart , Raul D. Santos

SPPARMα–フィブラートの復活か新薬への分類か?
 
アテローム性脂質異常症、あるいはHDLコレステロールの低値または正常値を伴うトリグリセリドの上昇は、残存心血管リスクの誘因としてはこれまで見過ごされてきました。その一つの理由は、この脂質異常症を標的としたフィブラートやPPARαアゴニストを用いた臨床研究で、スタチン治療下の患者に対して心血管イベントを減少させることを明確に示すことができなかった点です。さらに、安全上の問題もありました。
 
本レビューでは、SPPARMαコンセプトの根拠と、ペマフィブラートを用いた治療応用について議論します。特にフェノフィブラートで示された血清クレアチニンの著明な上昇を認めず、また腎臓と肝臓の安全性が向上していることから、良好なリスク-ベネフィットプロファイルを有することがこれまでの臨床試験で示されています。心血管アウトカム研究のPROMINENTは、残存心血管リスクを低減するアプローチとしてのSPPARMαコンセプトを検証する重要な試験です。

2014

2014年当時の2型糖尿病に残存する微小血管のリスク、再考の時期か?Residual Risk Reduction Initiative(R3i)の視点

Michel P Hermans, Jean-Charles Fruchart, Jean Davignon, 詳細…

糖尿病性網膜症、腎症、神経障害などの2型糖尿病に伴う微小血管合併症は、糖尿病による社会的負担の主要原因となっている。生活習慣への介入に加え、血糖値、血圧、低比重リポ蛋白コレステロールを標的として効果のある複合的な介入を行っても、微小血管へのリスクは依然として高いまま残存している。Residual Risk Reduction Initiative(R3i)は、これらの残存リスクを低減するため2つの重要な優先事項を重視している。第一に、脂質目標達成率を上げるにはアテローム性脂質異常症、トリグリセリドの上昇、血漿中高比重リポ蛋白コレステロールの低下といった心代謝リスク因子を最適に管理する必要があること。第二に、2本の主要な試験で報告された一貫性のあるエビデンスに基づき、併存疾患を有する2型糖尿病患者で糖尿病性網膜症の進行を遅らせるためにはフェノフィブラート療法の追加を検討する価値があること、である。これらのデータは前向き試験で検証を行うための強力な根拠となる。2型糖尿病の微小血管合併症に潜む大きな残存リスクを低減するには、この2つの優先事項に取り組むことが不可欠であるとR3iは強く確信している。

2013年当時の大血管残存リスクから私たちは何を学んだのか?

Jean-Charles Fruchart, Jean Davignon, Michel P. Hermans, 詳細…

北米および南米、欧州、中東、アジアおよび日本の優れた専門家40名で構成されたResidual Risk Reduction Initiative(R3i)国際運営委員会は現在、脂質に関連する残存心血管リスクの重要な寄与因子であるアテローム性脂質異常症に対して優先的に取るべき対策にハイライトを当てている。R3iは、トリグリセリドがマーカーとなるTG-richアポリポ蛋白B含有リポ蛋白と、(高比重リポ蛋白HDLにみられる)アポリポ蛋白A-Iリポ蛋白が不均衡な状態をアテローム性脂質異常症と定義している。 R3iは、以下を3つの重要な優先事項に位置づけた。 • 糖尿病患者を含む高リスク患者におけるアテローム性脂質異常症の認識を改善する • アテローム性脂質異常症を標的にするにあたって、non-HDLコレステロール(総コレステロール-HDLコレステロール)を治療決定の判断材料とする • アテローム性脂質異常症の管理およびガイドラインで推奨されている治療へのアドヒアランスを改善する。フィブラート、ナイアシン(北米および南米)、オメガ3脂肪酸またはエゼチミブのスタチン療法追加は全てnon-HDLコレステロールを減少させる方法である。 R3iはアテローム性脂質異常症をより効果的に狙った新たな治療法の必要性を認識しており、本論で将来の可能性について検討する。低比重リポ蛋白(LDL)コレステロール値が十分にコントロールされているにもかかわらず残存心血管リスクが高い患者の日常的管理に関して、重要な意義を持つ内容である。

2013

2型糖尿病における血漿トリグリセリドおよびHDLコレステロールと微小血管性腎症および網膜症の関連:13ヵ国におけるグローバル症例対照研究

Frank M. Sacks, Michel P. Hermans, Paola Fioretto, 詳細…

2012

ACCORD Lipid試験におけるフェノフィブラート+シンバスタチン併用療法の食後高脂血症に対する効果

G. Reyes-Soffer, C Ngai, L Lovato, 詳細…
ACCORD Lipid試験の患者サブグループを対象に実施されたこの補助試験では、経口脂肪負荷試験後の食後高脂血症が評価された。フェノフィブラートの投与によりアテローム性アポリポ蛋白B48への食後曝露量が低下したのは、ベースライン時の空腹時トリグリセリド値が高かった患者のみであった。このことは、フェノフィブラートがベースラインの空腹時トリグリセリド値が顕著に上昇している場合にのみアテローム性TG-richレムナントリポ蛋白のクリアランスを改善し、2型糖尿病患者に残存する大血管リスクを低減させることを示唆している。

2011

PCSK9:残存心血管リスクの低減におけるフェノフィブラート+スタチン併用療法の機能的関連性

JC Fruchart International Journal of Diabetes Mellitus
著者は、PCSK9の生理学的作用、すなわちLDL-C受容体を標的とする機能を介してLDL-C値を調節する機能について概説した。次にスタチンとフィブラート、特にフェノフィブラートがPCSK9にどのように作用するかを説明した。最後に、このデータが(1)フェノフィブラートとスタチンの併用によりLDL-C低下効果が最適化されることを示す機能的根拠であること、(2)2型糖尿病やメタボリックシンドロームの患者において、PSCK9が治療標的になりうることを示するものであり、スタチン治療患者でなお残存する高い心血管リスクを抑える新たなアプローチを開いた、と結論した。

微小血管障害は2型糖尿病の大血管イベントを予測するか?

RS Rosenson, P Fioretto, PM Dodson Atherosclerosis
患者54,117例を対象とした25の研究に基づくこのレビューは、2型糖尿病における微小血管障害と大血管障害の関連性に注目し、2型糖尿病の血管リスク評価において微小血管障害を早期検出することが重要であると強調した。

2010

ACCORD Lipid試験の意義:Residual Risk Reduction initiative(R3i)の最新医学研究からの展望と見解

Fruchart JC, Sacks FM, Hermans MP
ACCORD Lipid試験の結果について論じたこの解説は、2型糖尿病の脂質異常症マネジメントには個々の患者の脂質プロファイルに基づく標的を絞ったアプローチが必要であることを指摘する結果であった、と結論している。特にスタチンを投与したアテローム性脂質異常症患者では、フェノフィブラートを追加投与することで心血管リスクのさらなる低減が期待できる。

Non-LDLコレステロール関連脂質異常症(Non-LDL-related dyslipidaemia)と冠動脈リスク:症例対照研究

Assmann G, Cullen P, Schulte H. Diabetes and Vascular Disease Research
心筋梗塞に伴うnon-LDL-C関連脂質異常症のリスクを評価するため、初回心筋梗塞を発症した23~65歳の男性823名と、性別、年齢、喫煙状況、DM、BP、LDL-Cをマッチさせた心筋梗塞を発症していない823名のPROCAM対照を比較した。この症例対照研究で主に2つの知見が得られた。第1に、脂質異常症に伴う心筋梗塞の相対リスク上昇は、LDL-C値が低い患者で最も大きいこと。第2に、従来からある他の心筋梗塞リスク因子を考慮に入れた場合、HDL-C低値のほうがTG高値よりも心筋梗塞リスクに大きく影響することである。

2型糖尿病における脂質改善薬併用療法(通信)

Sacks FM, Carey VJ, Fruchart JC New England Journal of Medicine
“5つの臨床試験(FIELD、BIP、HHS、VA-HIT、ACCORD)のメタアナリシスに基づき、フィブラート治療が脂質異常症患者の冠動脈疾患イベントを減少させると著者らは結論している。 “

2009

糖尿病の残存微小血管リスク:アンメットニーズと今後の方向性

Fioretto P, Dodson PM, Ziegler D, 詳細…
2型糖尿病患者は最新の標準治療に基づいて最適な管理を受けていてもなお残存する高い微小血管リスクに曝されており、早急に対処する必要があると、このレビューの著者らは強調している。また、アテローム性脂質異常症の是正がさらなるベネフィットをもたらす可能性があると結論づけている。

2008

R3iの公式見解

Jean-Charles Fruchart PhD, Frank Sacks MD, Michel P. Hermans MD PhD, 詳細…
Residual Risk Reduction Initiative:脂質異常症患者に残存する血管リスクを低減するための行動要請